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本質から考える革新手法: VE(Value Engineering)

 VE(Value Engineering)は、製品やサービスの機能(Function:働き、役割)とコストに着目し、新たな価値を創造する革新手法です。システム化された手順により、チームデザインで、機能向上とコスト低減の両立を図り、使用者(顧客)が満足する製品やサービスを提供することを目的とします。

 現状に捉われない革新的なアイデアが導き出されるのが特徴で、業種や企業規模に関係なく優れた成果を上げることができます。

 

 また、製品などのハード面の改善だけでなく、業務改善や営業の効率化、サービス向上などソフト面での改善でも広く活用されています。

◆VEの概要
■VEの歴史

 VEは、1947年に米国の製造メーカーであるGE社(General Electric Company)で誕生しました。当時の調達マネージャーであった L・D・マイルズ氏があることを切っ掛けとして、モノではなく機能から考える改善手法として確立しました。

 

■VEの概念
 VEは、製品(ハード)やサービス(ソフト)の価値を改善する手法です。改善対象を直接見ながら行うのではなく、要素を機能(目的や働き)に変換し本質を把握します。その上で現行の価値を評価し、改善余地が大きい要素について使用者の立場で新方法を創造します。
 
 
 
 
 
 
 
 
■VEの定義

 VEは、下記のように定義されています。

最少のライフサイクルコストで必要な機能を確実に達成するために (目的定義)

製品やサービスの機能的研究(注1)に注ぐ組織的努力(注2)である。 (方法定義)

 

(注1):機能的研究とは、ものごとの存在の本質である機能にもとづいて、価値向上を実現するための効果的な方法のこと。

(注2):組織的努力とは、各分野の優れた専門家を結集し、保有する知識や経験を総合的に活用して活動を行うこと。

 

■VEの5原則

 VE活動を特徴づける5つの原則があります。

①使う人のためを考える(使用者優先)

②形でなく機能で考える(機能本位)

③事例に頼らず考える(創造による変更)

④一人でなく仲間と考える(チームデザイン)

⑤今あるものよりも、もっと良いものを考える(価値向上)

 

■VEの価値評価

 VEは下記の式によって価値を評価します。

価値(Value)=機能(Function)/コスト(Cost)

 ≒得られる効用(Output)/投入する資源(Input)

 

■VEの実施手順

 VE活動は、システム化された手順に沿って、各種のツールを使って実践します。

 ◆システム化された実施手順

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

    

    

 

 

 

図をクリックすると拡大図が表示されます。

◆厳選された各種のツール

 ・機能分析技法  ・・・ 機能系統図、FAST、ダイアグラム、他

 ・価値評価技法  ・・・ FD法、DAREシステム、他

 ・アイデア発想技法  ・・・ ブレーンストーミング、KJ法、希望点列挙法、他

VE手法の基礎知識について、職場の仲間とともに体験しながら学ぶ研修(ワークショップ式の研修)を提供します。

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